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タキロンシーアイ製品のハテナ

農業用ビニルフィルム・農業用POフィルム

「農ビ」 とは? 「農PO」 とは?

農ビとは、農業用塩化ビニルフィルムの略で、ポリ塩化ビニル樹脂を主原料としているフィルムです。日本では1950年頃に製造が開始されており、日本のハウス栽培を支えてきた資材です。一方で、農POとは農業用ポリオレフィンフィルムの略で、ポリエチレンや酢酸ビニルなどのオレフィン系樹脂を主原料としたフィルムで複層構造となっていることも大きな特徴です。日本では1980年頃に製造が開始された比較的歴史の浅い資材です。

それぞれの性能比較を下表に示します。

①透明性(初期)は使用原料の影響により農POと比較し農ビの方が高い透明性を示しますが、一方で
②防汚性に関しては農ビは少し劣るため、透明性の持続という観点では農POが優位となります。
③強度に関して、農ビと比較し農POは穴・破れから裂けが広がりにくい特徴があります。
④保温性としてはフィルムが持つ保温効果としては農ビ・農PO比較しあまり有意差はありませんが、農ビは柔軟性に優れており、パイプなどの骨材との密着性が高く、総合的に保温効果の高い資材になっています。
⑤作業性の面では、使用原料の影響で農ビの方が農POよりも1.3 ~ 1.4倍ほど比重が重く、重量面で農POの方が作業性が優れる傾向にあります。
農ビ・農POとそれぞれに優れた面がありますので、重視される性能に合った使い分けをしてご使用ください。

耐農薬性/耐硫黄性とは?

近年、農ビに代わって大きく使用量が伸びている農POですが、硫黄や塩素などの成分の入った農薬使用下でフィルムの早期劣化を引き起こすという弱点があります。
これは、農POを紫外線などの劣化要因から守っている“耐侯剤”が硫黄系・塩素系の農薬に弱く、その効果が失活してしまうことで起こります。
その劣化を軽減したフィルム性能を耐農薬性/耐硫黄性と呼んでいます。
タキロンシーアイの農PO製品では、バツグン5・バツグン5UVが該当します。

 

散乱光フィルムとは?

ハウス内に入る光の2割~5割を散乱光として取り込むフィルムです。
透明タイプのフィルムは約9割を直進光として取り込むため、光が当たる部分と当たらない部分がハッキリしますが、
散乱光フィルムでは様々な角度から光が当たるため通常は陰になりやすい作物下部や連棟ハウス谷部など隅々まで光を届けることが期待できます。
また、作物のヤケや色むらの低減にも貢献するフィルムです。
フィルムの見かけは曇りガラスのように不透明ですが、光線透過量は透明タイプと同等です。
タキロンシーアイの製品では、パールメイトST(農ビ)、彩光21(農ビ)、カゲナシ5(農PO)、アグリトップ散ライト(農PO)が該当します。

防滴性とは?

冬場、皆さまもお家の窓の内側が結露していた経験があると思います。
農業用ハウスにおいてもハウス内外で気温差が生じると、農業用フィルムのハウス内側に結露が発生します。
結露水が作物の上に落下すると、作物が病気になることがあります。
この結露水を作物の上に落とさぬようフィルムをつたって流す性能を“防滴性”と呼んでいます。
当社の農業用フィルムでは防滴性を発揮する手段として、“練込型”と“塗布型”の2パターンの製品をラインナップしております。
練込型はフィルム内部に防滴性を発揮する原料を添加した製品、塗布型はフィルム表面に防滴性を発揮する原料を塗布(コーティング)した製品になります。
練込型は添加された原料が無くなると効果が終了しますが、塗布型は練込型に比較し長期間安定的に効果を発揮します。

保温性とは?

日中に太陽の光からハウス内へ赤外線を取り込み保温をしますが、放射冷却という現象によって夜間ハウス内の気温は低下します。
この放射冷却は、ハウス内に取り込んだ赤外線がハウス外に放出されることで起こり、特によく晴れた日の夜間から明け方に見られます。
農ビ・農POには赤外線を吸収する“保温剤”という原料を添加しており、保温剤がハウス外に逃げようとする赤外線を少なくすることで、ハウス内の気温低下を抑制します。この性能を保温性と呼んでいます。
農ビでは保温剤の添加量を増量した高保温タイプの製品もラインナップしています。

フィルムに表裏はある?

タキロンシーアイの農ビ・農POには“文字の正しく読める方がハウスの外側です”という印字がされており、農ビの一部製品及び農POには表裏があります。

農ビの防塵品以外の製品は単層構造になっているため、製品に表記はありますが実質表裏はありません。一方で、防塵塗布を施している農ビ防塵品 及び 複層からなる農POはフィルム表面で性能が違うため、表裏を合わせないと効果が発揮されません。
展張時には、表裏を間違って展張しないようお気をつけ願います。

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